エクセバール (EVAL) は、エチレンビニルアルコール共重合体 (EVOH) の商品名であり、クラレ株式会社が製造しています。EVALは、優れたバリア特性や透明性を持つポリマーで、食品包装、医療、化学品貯蔵などの用途に広く使用されています。エクセバール 構造
エクセバール(EVAL)の化学構造
エクセバールは、エチレン(C₂H₄) と ビニルアルコール(CH₂CHOH) を繰り返し単位とする共重合体です。その一般的な化学構造は以下の通りです:
-[CH₂-CH₂]-[CH₂-CHOH]-
(エチレン単位とビニルアルコール単位の繰り返し)
- エチレン単位は柔軟性と加工性を向上させます。
- ビニルアルコール単位は強力なバリア特性(特にガスバリア性)を提供します。
エクセバールの特性は、エチレン単位の含有量(通常、20〜60%)によって大きく変わります。
構造と特性の関係
- エチレン含有量の影響
- エチレン含有量が多い場合: 柔軟性や耐水性が向上しますが、ガスバリア性は低下します。
- エチレン含有量が少ない場合: ガスバリア性が向上しますが、耐水性が低下します。
- 結晶性
- ビニルアルコール部分は高い結晶性を持ち、水やガスの透過を効果的に防ぎます。
- エチレン部分はアモルファス性を増加させ、全体の柔軟性を確保します。
- 水分の影響
- エクセバールは親水性を持つため、水分を吸収すると性能が変化します。特にガスバリア性が低下するため、乾燥状態での使用が推奨されます。
エクセバールの製造プロセス
エクセバールは、以下のプロセスで製造されます:
- 共重合反応
- エチレンとビニルアセテート(VA)を原料として、共重合反応を行います。
- 生成物はエチレンビニルアセテート共重合体(EVA)です。
- 加水分解
- EVAを加水分解し、ビニルアセテート部分をビニルアルコールに変換します。この過程でエクセバールが得られます。
エクセバールの用途と応用
- 食品包装
- 高い酸素バリア性が食品の鮮度を長期間保持します。真空包装や多層フィルムに使用されます。
- 医療用途
- 医薬品包装において、酸素や湿気を防ぐために使用されます。
- 化学薬品貯蔵
- 化学薬品の劣化を防ぐための容器やタンクライナーに使用されます。
- 自動車燃料タンク
- ガソリン蒸発を防ぐバリア層として採用されています。
エクセバールの構造は、特定の用途に合わせて最適化されるため、さまざまな産業で重宝されています。そのユニークな特性は、エチレンとビニルアルコールの絶妙な組み合わせによるものです。
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